指圧マッサージとは、体表から筋肉や皮膚などに押す・揉む・さする・引っ張る・こねる・震わす・叩くなどの刺激を与えて筋肉の疲労回復をすすめたり、緊張をほぐす手技療法をいいます。身体に対しての効果だけでなく、精神的なリラクゼーションにもたいへん役立つことから、指圧マッサージは多くの方に支持されています。
治療法として、また健康法としても長い伝統と確かな実績があり、日本では代替医療の「国家資格」として位置付けられるほど私達の社会に浸透しています。 例えば腹痛になった時、自然に手はお腹の辺りを押さえています。これは「手当て」という立派な医療行為で手技療法の基本的な姿といえます。「手で体の状態を感じ取りながら悪い部分を発見して治療する」ということが手技療法の基本です。手技療法の大きな特徴は「薬や外科手術に頼らず自然な方法でからだを整え、健康を維持、回復させる」ということです。
家庭においてセルフケアとしての指圧マッサージを正しく行うことで、健康維持ばかりでなく未病の状態を改善することが出来るでしょう。
  • 筋肉の緊張をほぐす
    体の各部の筋肉は緊張と弛緩を繰り返し、骨格や内臓などの器官を支えたり、動かしたりしています。しかし緊張して硬くなると思うように体も動かなくなってしまいます。さらに筋肉が緊張している状態が続くと筋肉中に老廃物が蓄積され、だるさや痛みを起こす引き金になります。手技療法ではこうした筋肉の緊張をほぐし、筋肉や骨格のバランスを整え、筋肉や神経伝達が十分に行われるようになります。
  • 血液、リンパ液の循環を活発にする
    血液・リンパ液などの体液の流れを良好にし、体の隅々まで栄養物を循環するのを促進することができます。痛みやだるさの原因になっている老廃物も取り除かれ、細胞が活性化し十分な働きができるようになります。
  • 神経や内分泌の働きを良くする
    神経が高ぶっている時(興奮状態の時)は、機能を鎮静(抑制作用)させる手技を使うことで鎮静させ、神経の働きが低下している時は、逆に高める(興奮作用)ような手技を使うことで神経機能を亢進させることができます。
  • 内臓の働きを調節する
    筋と内臓は密接な関係を持っています刺激した特定の部分だけでなく、反射的に他の臓器(内臓)にも刺激を与え、機能が正常に動くように調整することができます。
  • 体調を整える
    体は常にベストの状態を保とうとする生体恒常性(ホメオスターシス)を持っています。手技療法によって与えた刺激は、こうした生体恒常性の保持機能を刺激し、全身の調子を良好に保つように働きかけます。
衣服の上から、主に体の中心から末端に向い遠心性の刺激を与えるように指圧します。指圧療法は東洋医学的な考え方で理論体系化されています。

ツボは、はり・灸・指圧をする最も有効な治療点です。経絡(けいらく)は東洋医学の独特な考え方で、全身を流れる生命エネルギー「気」の道筋だと考えればよいでしょう。
家庭においてセルフケアとしての指圧を行なう場合は、押したり揉んだりして自分のツボを探してみましょう。コリや痛みを感じる場所、押すと心地よい場所(阿是穴という)があるはずです。そこが自分のツボになりますので忘れずに刺激してください。


→経絡の全身図
直接皮膚にオイルやクリーム、パウダーなどの滑剤を用い、主に末端から体の中心(主に心臓)に向かって血液やリンパなどの還流を促すようにマッサージします。
直接的には血管やリンパなどの循環系、間接的には神経を介した圧反射機転などによって筋肉や内臓系、あるいは神経系そのものに影響をあたえるのがマッサージ療法です。


→リンパ経絡の全身図
ツボの位置を表す場合の「1寸」とは尺貫法の「1寸」ではありません。
指圧を受ける人の手の親指のもっとも広い幅の長さ、または、手の中
指と親指で輪を作ったときの中指の中間の節の長さを「1寸」と決めて
ツボをとります。
次に、人差し指と中指の2本の幅が「1.5寸」です。そし
て親指を除く4指の幅が「3寸」となります。このように手指を大体の目
安にしてツボを見つけてください。



→一寸をあらわすための画像
  • 親指の腹で押す場合
    親指の腹を当てて、3〜5秒でゆっくりと押し込んでいき、次にゆっくりと戻していきます。同じ個所を2〜3回繰り返し押してもよいでしょう。
  • 指の頭で押す場合
    指の頭を当てて、3〜5秒でゆっくり押し込んでいき、次にゆっくりと戻していきます。同じ個所を2〜3回繰り返し押してもよいでしょう。
  • 親指の腹・四指で揉む場合
    親指の腹・親指以外の四指を当てて、5〜10秒で円を描くように揉みほぐします。同じ個所を2〜3回繰り返し揉みほぐしてもよいでしょう。

※力加減ですが、気持ちが良い程度までで決して強く押さないようにしましょう。
次の日まで痛みが残るのは強すぎです。
体に刺激を与えるわけですから、逆効果にならないような注意をしなければなりません。

  • 食後1〜2時間以内は避けましょう
    食後は消化の為、血液を胃に集中させなければいけません。
  • 強く押しすぎないようにしよう
    やりすぎると周辺の筋肉組織を傷めてしまうおそれがあります。痛みが感じられたら余り無理な我慢はしないでください。(無理をしてももみ返しが起こるだけです)
  • 長時間にわたって刺激をしないようにしよう
    家庭で行なう場合、局所の場合(1日2回程度)は1回あたり10分くらいまで、全身の場合は1回あたり30分〜40分までにしましょう。
一般的なアロマセラピーにおけるマッサージは、精油の芳香成分を皮膚から吸収させる目的のみで行なわれることが多く、精油成分の薬効に頼りすぎている傾向にあります。
そのアロマセラピーに「東洋医学でいうツボの効能」や「本格的な指圧マッサージの手技療法のテクニック」を加えることで、セラピーとしてのさらに高い効果を得るを得ることができるでしょう。